映画・テレビ

2011年2月27日 (日)

遺恨あり―明治十三年 最後の仇討

ドラマスペシャル遺恨あり―明治十三年 最後の仇討。秀逸の邦画を観終えた時の感慨に浸る作品でした。

Story_pict開国派の秋月藩の執政・臼井亘理が同派の過激攘夷派集団に妻共々惨殺され、その仇討のためだけに生きる息子・六郎の姿を描いた明治維新期の実話に基づくストーリー。

法治国家を目指す明治政府のもとで仇討は“武士の美徳”とされていた時代から“殺人”という憎むべき大罪へと変遷する只中で、価値観や倫理観の再考を迫られる当時の日本人の心の機微がよく描かれていました。

六郎役の藤原竜也、六郎を献身的に支えた下女のなか役・松下奈緒、亘理の首を切り落とした一瀬役の小澤征悦(たまに似てると言われます・・・)、判事役の吉岡秀隆など若手俳優陣も素晴らしかったけど、なんといっても六郎の師・山岡鉄舟役の北大路欣也の迫力は圧巻!

“最後の仇討”として薄っすら記憶にはあったお話でしたが、原作も読んだことはないし、経緯や背景を知ったのは初めて。夜中の執政の屋敷に若手藩士が侵入し、鮮血を浴びながら惨殺するというオープニングから2時間半、引き込まれました。

国家や法が変わっても簡単に心を変えることなど出来ない。それでも、憎しみが憎しみを生むという負の連鎖をどこかで断ち切らねばならないわけで。

幼い息子に「もし私に何かあっても遺恨を残してはならない」と一瀬が語るシーンが印象的。一瀬が六郎に仇討された後、いつか自分の身が仇討によって殺められることを予見していた夫の真意を知った妻は出獄後さらに母を手にかけた元藩士の仇討を果たさんとする六郎に「ぶざまでも生き続けることがあなたの役目」と諭す・・・

もちろん、僕は法治国家のもとで生まれ育っているので、頭では仇討は“殺人”であり、やってはならないことだと分かっています。だけど、当事者となったら自信がないというのが正直なところ。

“当事者の心”は明治維新の変革期も現代も、そして未来永劫、法で裁ききれない、縛りきれないものなのかもしれません。

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2009年11月 7日 (土)

熱血!ホンキ応援団

Main何気なくつけていたテレビから流れていた番組。熱血でおなじみの松岡修造氏がホンキで頑張っている人をホンキで応援するというコンセプトらしい。

今日はスタート2時間スペシャル。

大きな体の同級生にどうしても勝ちたい小柄の少年力士、あがり症のちびっこ落語家、異国のまだ見ぬ友だちに思いをはせる島で一人だけの小学生、勝利の味を知らない少年野球チームのキャプテン少女・・・

“松岡修造”“熱血”というキーワードを聞いて、暑苦しい、わざとらしい番組かと思いきやッ!!

久々に心に響くバラエティー番組をみましたねぇー。よかった。

子どもたちが子どもたちなりの困難にぶつかり、オトナたちのちょっとのサポートをもらいながら乗り越えてゆく姿と彼らの流す純粋な本物の涙に思わずこちらももらい泣き。

36歳の僕としては、ギリギリ子どもたちの気持ちにもなれるし、この子たちの親の気持ちにもなれたりするわけです。

「熱血」とか「熱い」とか「ホンキ」とか、ここ最近の世間ではウザがられていますよね。「クール」で「無関心」で「ライト」な方が今どきなのかもしれません。

そんな中ではじまったこの『熱血!ホンキ応援団』。

誰もが持っていたのにどこかに置いてきてしまったあの熱さを思い出させてくれる秀逸な番組です。

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2009年10月12日 (月)

永山則夫

NHK・ETV特集、「死刑囚・永山則夫―獄中28年間の対話」を観ました。

1968年~1969年にかけ、19歳で連続ピストル殺人事件を起こした永山の心の変化を獄中結婚した女性の証言などを交えて辿る内容。

死刑か否かが取りざたされる事件などが起こると、必ず耳にしてきた「永山基準」。

犯人の年齢や被害者の数・残虐性など9つの基準があるという「永山基準」というコトバは知っていたけれど、事件や永山則夫については全く触れる機会がなかった僕は大きな衝撃を受ける番組内容でした。

Crm0804070314003p1超極貧の生い立ち、連続殺人にいたるまで、一審での国家への批判的言動、妻をはじめとした支援者らの働きかけなどで謝罪・贖罪へと動く心情の敬意、そして最高裁の差し戻しで死刑が確定される・・・

また、まともな教育も受けておらずに読み書きもままならなかった永山が獄中で独学により識字を得て、多くの人々と手紙を交わしたり、執筆活動を行って文学賞を獲得までしていたこともはじめて知りました。恥ずかしながら。

審理の過程や永山という人物を知るにつれ、死刑適用の基準だけでなく、事件から40年経つ現代でも尚我々が抱える多くの闇を改めて浮き彫りにされた思いがしました。

被害者遺族の心情の相違、少年の凶悪犯罪に対する裁きのあり方、死刑廃止か死刑存置か。

裁判員制度もはじまっています。

この事件や永山則夫という人物をもう少し知りたいと思っています。

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